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山田美帆(やまだみほ) ■取材・ロケ・コーディネーター ・中央アジア/シルクロード カザフスタン キルギス ウズベキスタン(カラカ ルパクスタン) タジキスタン トルクメニスタン ・ロシア・コーカサスなど 旧ソ連 ・イラン ■映像翻訳(ロシア語/カザフ語など) ■添乗・ツアーコーディネート メールはこちらへ yksilkroad@yahoo.co.jp *写真・記事ともに無断転載禁止。ご使用に際しては、メールにてご相談ください。 ++++++++++++++ ブログパーツ
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2008年 12月 01日
写真を整理していたら、記憶が鮮明によみがえってきたので・・・アラル海のことを。
アラル海といえば、以前訪れた時には「ただひたすら荒涼と広がる干上がった湖面」というイメージだったのですが・・・(まさにこの写真のイメージ) 去年の11月、今年の5月とアラル海を訪れたときには漁に同行したからでしょうか。 小アラル海の「水」に接し、新しい印象を持ったものでした。 このときの気温、マイナス12度ほど。 漁に同行するため、日の出とともにオールド・カラテレン村を出発し、船着場へ。 その日の私はいつもと同じでユニクロのヒートテック、フリース、その上にはダウンジャケットといういでたち。 するとドライバーたちが口々に 「そんな格好じゃ舟の上で凍えちゃうよ!」 そしてそれぞれの車から防寒アイテムを持ち寄り、私を取り囲みました。 Sはクズルオルダからアラル海へ来る道中の露店で奥さん用にと買った羊のウールの分厚い靴下を差し出します。 「えっ、これは奥さんのために買ったんでしょう。私は大丈夫だから・・・」 と言う私に、 「一度くらい靴下の上から履いたって新品同然。とにかく履きなさい!」 Mは自分のフリースジャケットを私に着せ、エスキモーシューズを履かせます。 Aは大きな手袋を貸してくれ、そして一番上からはR先生の巨大なダウンジャケットが着せられ・・・ あっという間にこんな姿に。 暖かいのは暖かいのですが、着膨れしすぎて耳も聞こえないくらい。 思わずロシア語で、 「これじゃあ、まるでキャベツだわ・・・」 と苦笑。 ここから小型のモーターボートに乗り込み、河口辺り、アラル海を目指しました。 30分ほどシルダリア河を下ると、左側遠くに小高い島が見えてきました。コクアラル島です。 シルダリア河からは一定の水量がアラル海へと流れ込み、河口付近に出ると水は果てしなく広がっているかのように感じられました。 もっとも、シルダリアからこうして注ぎ込む水量も、アラル海全体の湖面縮小を考えるとわずかな量にすぎないことは十分承知していますが。 小アラルでは元漁師たちは水のあるところ、魚の捕れるところまで移動し、漁を再開するようになりました。 中には自宅から船着場まで通うのではなく、水辺のコンテナやテントで寝泊りをする漁師たちもいます。 ソ連時代の頃のように大漁で生活の保障もされている・・・という訳にはいきませんが、それでも置かれた状況の中で何とか生計を立てようと必死に生きているのです。 そんな中でも、祖父から父、父から子へ・・・と猟師という職業が受け継がれていくのを目の当たりにしたり、漁に出る漁師たちの凛とした姿や生き生きした表情を間近に見ると、彼らの持つバイタリティに勇気づけられる気がします。 日本にいて不況不況・・・と不安を感じずにはいられない私たちも、干上がったアラル海の現状に遠くから同情するのではなく、彼らが持つそんな芯の強さや辛抱強さ(多分に大陸的といえるかもしれませんが・・・)を見習った方がよいのかもしれませんね。 今年はシルダリア河から注ぎ込む水量が減っているという話も聞きますが、漁師さんはどうしているのだろう? 彼らの屈託のない笑顔を思い浮かべながら、そんなことを思う今日この頃です。
by yksilkroad
| 2008-12-01 01:54
| 中央アジア
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