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山田美帆(やまだみほ) ■取材・ロケ・コーディネーター ・中央アジア/シルクロード カザフスタン キルギス ウズベキスタン(カラカ ルパクスタン) タジキスタン トルクメニスタン ・ロシア・コーカサスなど 旧ソ連 ・イラン ■映像翻訳(ロシア語/カザフ語など) ■添乗・ツアーコーディネート メールはこちらへ yksilkroad@yahoo.co.jp *写真・記事ともに無断転載禁止。ご使用に際しては、メールにてご相談ください。 ++++++++++++++ ブログパーツ
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2019年 06月 13日
「これと模様がちょっと違うけど…」
「模様はどっちでもそれほど変わりはないから買うわ。」 「何色にする?」 「う~ん…白かなぁ?」 「そう、じゃあ、ユーロの白ね! 白、白がいいわよね、白が…これ、センスいいわ。」 「何枚からだと卸値で安く買えるのかしら?」 「そうね、10枚~ね。もっとたくさん買ってくれるなら安くは出来るけど。」 「じゃあ、ユーロの白10枚と、iPhoneのピンクと緑を10枚ずつお願いします。」 ********** これ、キルギスのビシュケク近郊にあるドルドイという大規模なコンテナバザールでのドゥンガン人の売り子と私のやり取り。 ドルドイ・バザールの入り口のバス発着所。 ”ユーロの白”、”iPhoneのピンクと緑”って何だろう…?!と思われたた方、ショーツの新作で売り子のおすすめが”iPhone”と"Euro"でして… ショーツにマックのリンゴマークとユーロマークがビーズで付いていたからです(笑)。 ”下着世界”の一角。 2階建てになっているコンテナ、1階は店、2階は倉庫になっています。 ユーロ、iPhone以外にはドルマークなどもありました。 男性用トランクスでもよく100米ドル札がプリントされたものがありますが、好きなんですね、外貨マークが(笑)。 いや、正確にはここの方たちのセンスではなく、中国人のセンスなんですが。ここの下着、ほぼメイドインチャイナ。 ドキュメンタリー番組の撮影のため、朝から夕方まで広大なドルドイ・バザールの中をあちこち歩き回る数日間でしたが、地元の人たちだけではなく、カザフスタンや遠くロシアからの行商人たちがドルの束を持って大量に買い付けに来ていました。 巨大なコンテナがずらっと並ぶドルドイ・バザールでも、”下着世界”がある奥の方は卸売り専用のバザールになっていて小売りはしません。 ドルドイ・バザールで取材したのは2015年5月。 キルギスは2015年5月にユーラシア同盟に加盟、それまでは中央アジア最大ともいえる中国製品の一大卸売拠点だったドルドイ・バザールが以前ほどの賑わいを失い始めた時期のことでした。 あのとき”下着世界”で私が3種類のショーツを10枚ずつ購入したのは、別の一角で下着の小売りをする女性グーリャへのお礼として。 彼女は”下着世界”から卸値で下着を仕入れ、バス停に近いジュンハイ(中国の電化製品や食器などを主に扱う一角)の中で小売りしていました。 「私は長いことエカテリンブルグのバザールで下着を売っていたの。女性下着のことなら私に任せて。測らなくてもほぼサイズは分かる。ロシアから買い付けにくる顧客も結構いるの。でも、キルギスがユーラシア経済同盟に加盟したら、ここでの私の商売も成り立たなくなってしまうかもしれないわね。そうしたらこの店は畳んで、またロシアに出稼ぎにでも行かないと生活できなくなるのかしらね? お先真っ暗だわ…」 バザールで商売をする商人たちが皆、口をそろえて将来への不安を口にする中、グーリャもこう苦笑いしていましたっけ。 ピンクと緑のiPhoneとユーロのを1枚ずつ、日本まで遥々記念に持ち帰ってきましたが、このまま取っておくことにします。 あの時、”下着の世界”に半日以上いた記念に… ちなみに、このピンクの色合い、グーリャ曰く”スイカ色”なのだそうです。 グーリャは今、どこで何をしているのかしら…? バザールの賑わいは戻っただろうか…? 久しぶりにドルドイ・バザールを隅から隅まで歩き回りたいなぁ…と思う今日この頃です。
by yksilkroad
| 2019-06-13 02:48
| 中央アジア
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