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山田美帆(やまだみほ) ■取材・ロケ・コーディネーター ・中央アジア/シルクロード カザフスタン キルギス ウズベキスタン(カラカ ルパクスタン) タジキスタン トルクメニスタン ・ロシア・コーカサスなど 旧ソ連 ・イラン ■映像翻訳(ロシア語/カザフ語など) ■添乗・ツアーコーディネート メールはこちらへ yksilkroad@yahoo.co.jp *写真・記事ともに無断転載禁止。ご使用に際しては、メールにてご相談ください。 ++++++++++++++ ブログパーツ
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2019年 04月 01日
アスタナからヌル・スルタンへ…!
新元号発表のニュースが世間をにぎわせる今日4月1日ですが、私にとっては仕事上はこちらのニュースの方がより影響するということで、カザフスタンの首都の話でも。 ニュースでは「カザフスタンのバイコヌール」という単語を聞くことは増えたものの、その他のニュースは皆無に近く、アスタナで2017年にアスタナ万博が開催されたときだって、次の誘致に名乗りを上げていた大阪市長一行がアスタナ訪問でもしない限り、ほぼニュースにはなりませんでしたっけ。 今回の大統領辞任→首都改名の一連のニュースで日本ではあまり馴染みのないカザフスタンの知名度が少し上がったかもしれないのも、首都の新名称が割とインパクトの強い響きの"ヌル・スルタン"だったからで、そうでもなければこれほど話題にはならなかったのだろうかと思うと、まあ少々、複雑な気持ちでもありますが…(笑)さて、この首都改名のニュースをまずは時系列で整理してみましょう。 3月19日の夜、ナウルズ前にナザルバエフ大統領が突然テレビ演説で自らの辞任を表明。 翌日、トカエフ大統領代行が就任直後に首都の名称を初代大統領の名前"ヌル・スルタン"に改名すべきだと提案すると、議会が即日"全会一致"で改名案を承認。 23日にはトカエフ大統領代行が首都改名の大統領令に署名をし、首都アスタナは正式にヌル・スルタンに改名されたのでした。 インターネット上で改名反対の署名運動が展開され、4万3千件の署名が集まったとか、アスタナやアルマティで改名反対集会が開かれ、参加者数十名が拘束されたとか、「国民投票なしで憲法に変更を加えるのは憲法違反であり、アスタナからヌルスルタンへの改名は無効である」と主張しているアルマティの法律家が弁護士資格剥奪の危機にさらされているらしい…とか、まあ、国内ではこの名称変更を国会議員のように国民全員が歓迎したわけではありません。 それでも、もう誰が何と言おうが、カザフスタンの首都はヌル・スルタンとなったのでした。 思えば、この町の名前も結構変わってきたものです。 1961年まではアクモリンスク、1961年からはツェリノグラード、1992年7月6日からはアクモラ、1998年5月6日からはアスタナ…そして、ヌル・スルタン。 首都改名の提案と同時に、カザフスタン各都市の目抜き通りの名前も「ナザルバエフ通り」へと改名し、首都におけるナザルバエフ氏の銅像の建立等も提案されました。 そして、各都市ではナザルバエフ通りが続々誕生しています。 町の南部のこの通り沿いにアルマティの大統領官邸のあるこの通りは、2017年11月に「フルマノフ通り」から「ヌルスルタン・ナザルバエフ大通り」に改名されていました。 ナザルバエフが辞任して早々、超ダサいことやらかしてくれたな、カザフスタン…と、個人的には皮肉と愛情を込めて、一連のこのニュースを苦笑しながら眺めています。 こういうのをダサいと思うのか、格好良いと思うのか、実際に国民投票をしたとしたらどんな結果になっていたのかを知りたいと思う今日この頃。 ヌル・スルタン…! それはそうと、ナザルバエフ氏の名前がヌルスルタン("光の王"とか"輝ける支配者"という意味)という名前だったのが不幸中の幸いでした。 (しつこいようですが、こういう名前、カザフ人には結構あるのです。) もしくは、コルホーズベックとかソヴィエトベックという名前だったとしたら、それでも初代大統領に敬意を表するために改名をしたのだろうか?!…と思ったり。 私はカザフスタン国民ではありませんし、誰かにちなんだ地名を付けることについても別に反対はしませんが、私自身はアスタナを今後、素直に"ヌル・スルタン"と呼ぶ気はもちろんありません。 当面は一般名詞で、ロシア語だったら"カザフスタンの首都(столица Казахстана)"、カザフ語なら"Астанасы"などと呼んでいこうかと考えているところです。 "ヌル・スルタン"とそろそろ呼んでもいいかなぁ…と思えるようになるのは、きっとナザルバエフ氏が亡くなるくらいの頃だろうと思ったりします。 まあ、私個人の意見はともかくとして、次に行くときには飛行機の行先は"ヌル・スルタン"のヌルスルタン・ナザルバエフ空港になるのですね。 ちなみに、航空会社エア・アスタナの名称は当面は変わらないとのこと。 エア・ヌルスルタンでヌル・スルタンのヌルスルタン・ナザルバエフ国際空港に飛ぶ…なんてことにならなくて、内心少しほっとした気分です(笑)。 それに、地名や空港名はともかく、航空会社に彼の名前を付けたとしたら、万が一墜落事故などのニュースの時にややこしくなるので、エア・アスタナはこのままの名称で残してほしいものです。 余談ですが、アスタナの空港コードはTSE、これはソ連時代の名称であるツェリノグラードから取られたものです。 この際、アスタナ空港のコードも従来のTSEからNURに変えてしまうことを強く推奨したいものです(笑)。 ユーラシア大陸のど真ん中に位置するこの町へ、愛とたっぷりの皮肉を込めて…
by yksilkroad
| 2019-04-01 15:53
| 中央アジア
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