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山田美帆(やまだみほ) ■取材・ロケ・コーディネーター ・中央アジア/シルクロード カザフスタン キルギス ウズベキスタン(カラカ ルパクスタン) タジキスタン トルクメニスタン ・ロシア・コーカサスなど 旧ソ連 ・イラン ■映像翻訳(ロシア語/カザフ語など) ■添乗・ツアーコーディネート メールはこちらへ yksilkroad@yahoo.co.jp *写真・記事ともに無断転載禁止。ご使用に際しては、メールにてご相談ください。 ++++++++++++++ ブログパーツ
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2008年 05月 31日
トルクメニスタンの首都アシュガバットから西へおよそ18キロ。
イランとの国境となるコペット・ダグ山脈の麓に位置するニサは、パルティア帝国最初の首都が置かれたといわれる要塞遺跡。 紀元前3世紀から紀元後3世紀頃まで中央アジアの交易を独占し栄えたイラン系遊牧民のパルティア。ゾロアスター教を信仰していたといわれ、火の神殿跡や王の間、ワイン貯蔵庫などの遺構が城壁に囲まれた小高い丘の上に広がっています。 (一部土壁で覆われているのは、修復ではなく保存のため。) そのありし日の繁栄を彷彿とさせる発掘品が、アシュガバットの国立博物館所蔵のヴィーナス像や象牙のリュトン。 象牙のリュトンにはギリシア神話のモチーフが精緻に彫り込まれ、パルティア帝国におけるヘレニズム文化の影響を物語っています。 このリュトンは酒盃。ゾロアスター教の儀式でハオマ酒やワインを飲むのに用いられたと伝えられています。 ****************** 所変わって、現在のイラン・イスラム共和国。 「新年おめでとうございます」というノールーズ(イラン暦の新年)の看板。 テヘラン歴史博物館所蔵のこの双翼のライオンの黄金のリュトンは、日本で開催された「黄金のペルシア文明展」でも展示されていたので、記憶にある方も多いのでは? 「イスラーム的ではないからと、お坊さんたちはノールーズなんて本当は廃止にしてしまいたいんだろうけど、アケメネス朝ペルシアの時代から連綿と続いてきたイラン人の伝統を消し去ることは出来ないんだよ。」 と言うイラン人もいますが・・・ 栄光のアケメネス朝ペルシア帝国の儀式用酒盃であったリュトンが、2500年以上の時を経て権力が移り変われば、なんと花瓶と化しているではありませんか! 現在の国教であるイスラーム教シーア派以前の歴史を塗り替えるかのような、挑発的とも言える看板デザインには、思わず脱帽です。
by yksilkroad
| 2008-05-31 05:52
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