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山田美帆(やまだみほ) ■取材・ロケ・コーディネーター ・中央アジア/シルクロード カザフスタン キルギス ウズベキスタン(カラカ ルパクスタン) タジキスタン トルクメニスタン ・ロシア・コーカサスなど 旧ソ連 ・イラン ■映像翻訳(ロシア語/カザフ語など) ■添乗・ツアーコーディネート メールはこちらへ yksilkroad@yahoo.co.jp *写真・記事ともに無断転載禁止。ご使用に際しては、メールにてご相談ください。 ++++++++++++++ ブログパーツ
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2006年 03月 14日
衛星放送で受信するCNNやBBCのトップニュースが毎日のようにイランの核開発問題を伝える中、イラン国内はいたって平穏。市民たちの関心事は核開発問題ではなく、間近に迫ったノールーズ(新年)。街は3月21日のノールーズの準備で賑わい、市民たちは年の瀬の買い物に繰り出していました。
そんな中、イスファハンのジャメモスク(金曜モスク)でイギリスからのテレビクルーに出会いました。旅行ものの番組制作をしているという彼らは、イランの古都イスファハンを興味深くじっくりと取材している様子。 レポーター氏曰く、「今の国際問題とは全く切り離して、イランは歴史も古く見るに値する国。そのことを視聴者にどう伝えられるか・・・ ちなみにうちの局は日本のNHKさんとも関係があるので、ひょっとしたらそのうち我々の番組を日本で目にすることもあるかもしれません。」 レポーターと並んで話しながら歩いていた私ですが、その先をガイドの説明に耳を傾けながら歩く日本人観光客達にカメラを向けるカメラマン。「日本からの団体には年配者が多く、こんなご時世でもニュースとは全く無縁にゆったりとイラン観光を楽しんでいる」と日本人観光客たちは映像にしっかりと収められてしまいました。 ↓ジャメモスクにて。取材を受けているのは私たちに同行していたイスファハンのローカルガイド。 翌日、イスファハンからテヘランまで向かう高速道路で、「もうすぐ車窓から核開発施設が見えます」とガイドが言い出しました。問題になっているナタンズのウラン濃縮施設でした。 「イランは核開発をしていますが、それはあくまでも平和利用のためです。だから、あえて高速道路から見えるような場所に建設しているのです。秘密裏に核開発をしたければ、人気のない砂漠の真中にでも施設を建てていたでしょう・・・」 正直なところ、中央アジアで生活するまではイランという国にはいい印象を抱いていませんでした。私がまだ小さかった頃のイランイスラム革命やテヘランのアメリカ大使館占拠事件、イラン・イラク戦争、「悪魔の詩」の著者にホメイニ師が死刑宣告を出したことなど・・・政教一致でシーア派が大多数を占めるイランという国には全く寛容さがないと思っていたのです。「ペルシア」という言葉の響きにはロマンを感じても、「イラン」という言葉にはいい印象がない。これは大多数の日本人にある印象なのかもしれませんね。中央アジアに行って初めて、ペルシア世界と中央アジア世界の歴史的繋がりや現在のイランとの交流を肌で感じるようになってからの印象はガラリと変わりましたが。 これらの施設が原子力開発用のものなのか核兵器開発用なのか、私には知る由もありません。ただただ、問題がこじれてアメリカがイランを攻撃することだけはないように願うだけ。崩壊するのは地震で崩れたアルゲ・バムの遺跡だけで十分・・・そんなことを考えながら車窓の砂漠をぼんやりと眺め、バスに揺られていた私でした。
by yksilkroad
| 2006-03-14 23:46
| イラン
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