プロフィール
++++++++++++++
山田美帆(やまだみほ) ■取材・ロケ・コーディネーター ・中央アジア/シルクロード カザフスタン キルギス ウズベキスタン(カラカ ルパクスタン) タジキスタン トルクメニスタン ・ロシア・コーカサスなど 旧ソ連 ・イラン ■映像翻訳(ロシア語/カザフ語など) ■添乗・ツアーコーディネート メールはこちらへ yksilkroad@yahoo.co.jp *写真・記事ともに無断転載禁止。ご使用に際しては、メールにてご相談ください。 ++++++++++++++ ブログパーツ
以前の記事
2023年 10月 2021年 03月 2020年 08月 2020年 07月 2020年 04月 2020年 03月 2020年 02月 2019年 10月 2019年 08月 2019年 07月 more... 最新のコメント
カテゴリ
検索
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2006年 02月 08日
食生活と宗教は切り離せないもの。海外へ出るとそう実感することが多いですよね。
ユダヤ教には厳格な食の規定があり、イスラエル国内のレストランなどで出される食事は殆どの場合それに則ったものです。これはコーシェル料理と呼ばれています。 一流のホテルやレストランは、コーシェルレストランとしてラビ(ユダヤ教の聖職者)の認可を受けていて、時々抜き打ち検査があるのだとか。 そういえば、エルサレム新市街のレストランの看板にも「Kosher」とあったのを思い出しました。また、エルサレム市内の中華レストランもコーシェルで、豚肉、イカ・エビ・タコなどは一切出てきませんでした。 ←こんなところ(お気に入りのナツメヤシの蜜の瓶)にもコーシェルの認定マークが! ラビのS.Didiさん認定商品なのですね。 その規定はと言うと、 ひづめの割れていない動物、反芻しない動物は食べてはいけない(豚はひづめは割れているが、反芻しないのでだめ) 肉の場合、完全に血を抜いたものでなければならない ヒレと鱗のない魚介類もだめ(イカ、エビ、タコはだめ) 肉と乳製品を一緒に食べてはいけない(これは旧約聖書に、「子 山羊をその母の乳で煮てはならない」とあるため) など。 郷に入れば郷に従え。外国では食事のことで文句を言うことは一切ありません。出されたものをただただ美味しいと食べるだけ。 豚やイカ・タコ類を食べられなくても困りはしませんが、肉と乳製品を一緒に食べてはいけないという規定には最初は少し戸惑いました。ホテルでの朝食バイキングには野菜と乳製品と卵料理と魚の燻製(魚は乳製品と一緒に食べてもよい)などが出され、コーヒーにもミルクを入れて飲めます。が、肉料理の出る昼と夜は、食後のコーヒーにもミルクをいれて飲むことは出来ないからです。敬虔なユダヤ人はそのどちらかを口にした場合、何時間か間を置かないと他方を口にしないのだとか。 ユダヤ人たちが全員この規定を厳格に守っているかと言えば、必ずしもそうではありません。ただ、豚肉を食べない、肉と乳製品を一緒に食べないなどは生理的に慣習となっているようです。食生活にタブーのない日本人には分からないことでしょうが、育った環境によって生理的に受け付けなくなるものなのでしょうね。 どこで何を出されても宗教的タブーもなく食べられる日本人に生まれ育ってよかった、とつくづく思うものです。 肉と乳製品・・・ふと遥か遠くのカザフスタンでの食文化を思い出していた自分がいました。乳製品や肉をたらふく食べながら馬乳酒を飲む、そして食後はミルクティー・・・ご存知の通り、メインは肉と乳製品。そんなカザフ人たちがイスラエルに来たら、一体どんな反応をするのでしょうか? 時々頭の中でそんなことを思い巡らせていたのですが、最終日の夜、ホテルのレストランでバイキングの食事をしていたら、偶然、隣近所のテーブルにカザフスタンからの団体がやってきました。カザフスタンからの団体といっても、その殆どが非カザフ系の人たち。明らかにカザフ人と見て分かる女性たちの行動を注意しながら見守っていたのですが、肉とパンがあれば乳製品がなくても平気な様子。優先順位が高いのは肉の方だったようです。大皿に山のように料理をよそっていくその姿を眺めながら、肉料理はあっても量が少ない日本に来た時の方がかえって彼らは苦労するのかもしれない、とひとり苦笑していた私でした。
by yksilkroad
| 2006-02-08 00:10
| イスラエル
|
Comments(3)
Commented
by
tmshanagn304 at 2006-02-08 20:23
こんばんは。
ユダヤ教の方々は御苦労な食生活ですねえ。読ませていただく限りでは、「まずそう」って感じですし、日本人には耐えられないでしょう。しかし私なら何とか生活出来そうかなあとも思わなくもありません。好き嫌いなし。下手物以外は何でも食べます。テスト的に、一年間米を食べずに過ごしたこともありますが、平気でした。ユダヤの人達を日本へ呼んで、車海老のおどりとか、霜降りのステーキを食べさせたい。そして堕落させたい。カザフ人にはアンパン、ジャムパン、クリームパン、メロンパンなどを食べてもらいたい。
0
Commented
by
orientlibrary at 2006-02-13 18:02
カザフの方が肉の方が優先順位が高かったというのは、面白い発見ですね。こういう「究極の選択」?みたいな場で、本音?がでますよね。私は乳製品が好きだけど肉類が苦手なので、イスラエルでもぜんぜん大丈夫そうです。
出されたものに文句言わないのが、旅の礼儀、と思いつつ、現実はう〜〜んと思うこともしばしばですが、でも、土地の食習慣には敬意を払うのが基本だと思っています。宗教は歴史や風土の中で生まれ培われてきたものなので、考え方が自分の常識と違うものでも、尊重すべきだと思います。 正直に言って、パレスチナ問題で、私はイスラエルという国にはいい印象を持っていません。過酷な占領政策をやめて、パレスチナの人たちに尊厳を持って暮らせる環境を返してほしいです。でも、当然ながらコーシェルを否定しませんし、食文化を尊重したいと思います。エビ、好きですけどね!?
Commented
by
yksilkroad at 2006-02-14 00:53
カザフ人の場合、主食は肉で、副食がパンと乳製品だということなのでしょう(笑)。
イスラエルとパレスチナ問題、日本でニュースで見聞きするよりも現地で肌で感じてくるのがいちばんでしょう。まさに百聞は一見にしかず。是非、一度行ってみてくださいね。どちらかの肩を持つ必要は全くありませんが、今まで持っていた印象もがらりと変わる可能性もありますよ。相互理解の原点は、まず相手を知ろうとすることから始まるのだと思っています。 ところで、3月にはイランへ行くことになりました。
|
ファン申請 |
||