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山田美帆(やまだみほ) ■取材・ロケ・コーディネーター ・中央アジア/シルクロード カザフスタン キルギス ウズベキスタン(カラカ ルパクスタン) タジキスタン トルクメニスタン ・ロシア・コーカサスなど 旧ソ連 ・イラン ■映像翻訳(ロシア語/カザフ語など) ■添乗・ツアーコーディネート メールはこちらへ yksilkroad@yahoo.co.jp *写真・記事ともに無断転載禁止。ご使用に際しては、メールにてご相談ください。 ++++++++++++++ ブログパーツ
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2006年 02月 01日
最近、海外へ出ていてふとどこかからロシア語が聞こえてくると、無性にほっとする自分がいます。それが母語である日本語を聞いた時ではなく、何故ロシア語なのかは自分でもよく分かりません。
シナイ山に登ったときのこと。 月明かりの下、私はラクダに揺られて8合目の山小屋まで登っていったのですが、上へと進むにつれ暗闇のあちこちからロシア語が聞こえてくるではありませんか。声の主はロシアからの観光客たちでした。ロシア系の人たちは服装や雰囲気でそれとなく分かるもの。山小屋にいるベドウィンたちも、英語よりはロシア語の方が上手だったりして・・・ ロシアも最近はバブルで、海外旅行へ出かける人たちが多くなってきているのですね。 ↓死海の朝焼け 死海のホテルでのこと。 夜、バーで座っていたら、イスラエル人のドライバーが「ジェーブシュカ、イジー・シュダー!(ロシア語で、お嬢さんこちらへおいでという意味)」言い出しました。このドライバーさん、ロシア系の友達がいて片言のロシア語を話すのです。それで、あ、ウェイトレスさんはきっとロシアからの移民なのね、と分かりました。こちらへやって来たそのお嬢さんと早速ロシア語で話をしてみました。外国語訛のロシア語・・・聞くと、何とカザフスタン北部カラガンダ州のテムルタウという工業都市の出身、7歳の頃両親に連れられてイスラエルへ移住してきたのだそうです。こんなところでカザフスタン出身者に出会うとは不思議な縁です。 その日フロントにいた若い男女のスタッフもロシア系でした。 クムランのお土産屋さんでのこと。 ロシア語のガイドブックを買おうとしたら、「日本人なのになんでロシア語の本を買っているの?」と不思議そうな顔をする店員の女性。彼女もロシアからの移民でした。 イスラエルの人口は698万8600人。うち100万人近くがロシア系移民(旧ソ連圏からの移民)だそうです。単純計算をしても、7人に1人はロシア語を理解するという計算になりますね。 どの国へ行っても、挨拶くらいはすぐに現地語で言えるようになりたいもの。 早速、ガイドさんにいろいろと教えてもらって発音してみると・・・ 「何で日本語訛じゃなくて、ロシア語訛なの?!」 と笑われてしまいました。ロシア系移民の発音するヘブライ語に近かったようです。きっとRの音を巻きすぎているのでしょうね(笑)。 また、ダイアモンドの研磨工房での出来事。そこのマネージャーと英語で話していたのですが、「貴女の英語、日本人の発音とは違いますね」と言われました。 あれっ、ここでも私、ロシア語訛?! ・・・もう苦笑いするしかありませんね。 ところで、このヘブライ語、どうやら語彙はあまり多くないようです。 ロシアからの移民たちも流暢にヘブライ語をマスターしているのですから、努力すれば私にだってロシア語訛のヘブライ語なら話せるようになるかもしれません。そう思ったら、知的好奇心が疼き出してきました。 ロシア語訛のヘブライ語でもいいや・・・と調子に乗った私は、テルアビブの空港でロシア語ヘブライ語の会話集を入手。機内で会話集をしばらく眺めていたのですが、キリル文字表記で書かれたこの会話集を頑張って丸暗記したとして、次にイスラエルへ行った時に使ってみたら今度はどんな顔をされるのだろうか・・・とひとり可笑くも微笑ましい気分になりました。 2000年前の聖書の言葉、長い離散の年月を経て祈祷の時にしか使われることがなくなり死語同然となっていたその言葉を19世紀末に復活させた人物がいました。ベン・イフェダーというその人物は、ある日、「家庭内ではヘブライ語でしか話さない」と堅く決意、そしてその息子がヘブライ語を母語とするはじめてのユダヤ人になったのだとか。 こうして日常語として甦ったヘブライ語、今ではイスラエルの公用語となっています。世界各地に離散して生活していたユダヤ人が寄り集まり、新しい国を創っていく。そしてイスラエルに集ったユダヤ人たる証となったのが新生ヘブライ語だったのでしょうね。 中央アジアで少々揉まれて強くなったとは言え、私も日本という島国でのんびり生活する日本人のひとり。愛国心や民族意識とは全く無縁ではありますが、このベン・イフェダーという人のユダヤ人根性、ある意味、感嘆に値しますね。
by yksilkroad
| 2006-02-01 21:13
| イスラエル
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Comments(6)
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tmshanagn304 at 2006-02-01 21:50
イスラエルにロシア系がそんなにいるとは思いもよらぬことでした。中東に関しては知らないことばかりです。今回のハマスの勝利に関して、NHKあたりでは「テロばかりではない」といっていますが、今までの報道の印象では、ハマス=テロの感じです。報道ではほんの一部しか解りませんね。イスラエルもパレスチナも大陸暮らしは大変ですね。しかし島国者が軽く批評するのは失礼ですかな。ロシア語を聞くとほっとするとは、ひょっとしたらと遠い先祖はロシア人かもね。知人にお祖父さんがロシア人という女の子がいまし
た。その子は、鼻筋の通った美人でした。あなたもきっと美人でしょう。
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yksilkroad at 2006-02-01 22:11
いいえ、私は鼻筋の通った美人ではありません、念のため。でも時々、前世はタタール人だったのでは?と思うことがあります。中央アジアのどこでも平気だし、ロシア語圏でも生きてゆけそうなので、その両方を網羅していた民族だったとしたらタタール(だったん人←だったん蕎麦の「だったん」です。漢字変換できません)?!
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japolska at 2006-02-02 03:51
こんにちは。トラックバックより飛んでまいりました。
私の夫はポーランド人で、去年イスラエルに半年ほど滞在していた時、 「少しならロシア語が分かるし、それに安いから」という理由で、 無理やりロシア人による死海ツアーに参加したことがありました(笑)。 もちろん回りはロシア人100%。ガイドの言っている事は全然分からず、 ダンナもかろうじて集合時間が分かる程度(苦笑)。 よく無事に戻ってきたものでした。 イスラエルではロシア人のお店で豚肉を買わせて頂きました。 本当に助かった。豚肉の風味は私達にはかかせません(※ポー人もよく食べるから)。 また遊びに来させていただきます。
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orientlibrary at 2006-02-02 10:21
ロシア人比率ってそんなに高いんですか。イスラエルとロシア、、、う〜ん、本当にユーラシア大陸のでは歴史の中で動きが大きくて、なかなかその感覚がつかめません。本で読んでも、なんか自分の中に入っていっていないという感じがあります。こういうブログでの実際のお話のほうが入ってきます。岩のドームは必見の憧れなのですが、イスラエルではなくツアーとしてのパレスチナツアーって、まだ難しいでしょうか・・・ 「サラーム」を願うばかりです。
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yksilkroad at 2006-02-02 10:34
今回、ベツレヘムへ行きましたが、そこはパレスチナ。ちょうどパレスチナの議会選挙の日でしたが、エルサレム側から分離壁(シャロン首相が作った)を越えて入り、生誕教会を見てきました。世界最古の街があったというエリコも現在ではパレスチナ領。こちらは町を遠く眺めながら通過しただけでした。分離壁も諍いもなくなって、自由に旅行ができる日が来るといいですよね。
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yksilkroad at 2006-02-02 10:49
シナイ山へ行った時にはポーランドからのカトリック教徒たちのグループがいました。イスラエルだったらポーランド系の移民も多いでしょうし、ご主人も何もロシア人のツアーに参加しなくても・・・(笑)。ちなみに私もポーランド語を聴いてもそれがおそらくポーランド語であろうと認識できる程度、何を言っているのか全くわかりません。そうですよね、ユダヤ教徒は豚肉を食べませんものね。それに肉と乳製品を一緒に食べることもありません。だから、肉を使う昼と夜は食卓にミルクが出てこず、食後のコーヒーにミルクを入れる習慣のある人が嘆いていましたっけ。
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